日本経済新聞「人間発見」から坂本龍一氏・・・
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2000年、ベルリンで「自我の崩壊」を体験する。
教会で開いたピアノコンサートでした。敬愛するブラームスをモデルに書いた「Intermezzo」という曲を演奏していた。「いい出来だ」と悦に入っていたら、演奏中に我に返った。
「あれ? 何やってんだろう」って。ブラームスみたいな曲を、ブラームスの祖国で、日本人が得意げに弾いている。その滑稽さに今更ながら気付いた。恥ずかしいやら自己嫌悪やら・・・。
「音楽のお勉強」が続いていたんですね。分かっていたはずなのに。ショックでしばらく放心状態でした。自分は音楽的に『欧州語』を話している。でも単に「和」に回帰するだけではダメなんです。
例えば邦楽。僕にとっては西洋音楽以上に『外国語』だから回帰しようがない。勉強した言葉で勝負するしかない。そこが難しい。とにかく僕は「何々っぽい」音楽はやめようと改めて決意した。「坂本っぽい」音楽も含めて・・・。
日本経済新聞[人間発見]: “未知なる地平を求めて(1)” by 坂本龍一: 03 March 2008
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